作品販売 脚本:若すぎる二人

作品販売 < 若すぎる二人

脚本:若すぎる二人

若すぎる二人

「若すぎる二人」…連続(8回)ホームドラマ

昭和44年4月17,24日/5月1,815,22,29日/6月5日[1時間物(日本テレビ)]…1500円

脚本:西条道彦
 杉良太郎と九重佑三子のフレッシュコンビによるラブロマンスを中心に、 二人を取り巻く家族や友人たちがくりひろげる明るいホームドラマ。 大東デパート外商部勤務の細川邦夫とランジェリーコーナーの山岡洋子は来年4月に結婚の予定だが、 まだ家族には打ち明けていない。まずは住居の問題とばかり、なかなか当たらないはずの公団住宅に申し込んだ。 が、それが当たってしまい、3カ月以内に入居しないと資格を失う。切羽詰まった二人は結婚を急ぐが、 両家ともそれどころではない事情を抱えているし、頑固親父に猛反対される。住宅なんぞ結婚の本質とは関係ない、 軽はずみは許さないという。ところがどんどん行動にうつしていく二人に、間に入った家族や友人たちはおたおた……

ご注文フォームへ


脚本:若すぎる二人

 「若すぎる二人」(イントロ)
 ここにはこのような形でしか載せられませんが、
 全文お求め頂くコンテンツは縦書き400字詰めの原稿です。



 1時間ドラマ・8回連続


 (日本テレビ 昭和44年4月17日・24日・5月1日・8日・15日・22日・29日・6月5日放送)


  主演・杉良太郎・九重佑三子


  夜のグランド劇場


 タイトル『若すぎる二人』第1回


 脚     本 西 条 道 彦
 音     楽 広 瀬 健二郎
 主題歌・作詞 岩 谷 時 子
 制     作 河 野 和 平
 演     出 波多腰 晋 二


 登場人物


 細 川 義 介 ………進 藤 英太郎
  〃   友 子 ………鈴 木 光 枝
  〃   健 介 ………高 津 住 男
  〃   文 江 ………悠 木 千 帆
  〃   治 夫 ………武 田 浩 志
  〃   邦 夫 ………杉   良太郎
  〃   ゆり子 ………丘   みつ子
 山 岡 甚 造 ………佐 野 周 二
  〃   玲 子 ………葦 原 邦 子
  〃   敦 子 ………弓   恵 子
  〃   洋 子 ………九 重 佑三子
  〃   一 郎 ………佐 藤 輝 昭
  〃   さ  ち ………飯 田 蝶 子
 安 永 恒 子 ………萬 代 峯 子
  〃   不二雄………佐 原 健 二
 住      田 ………砂 塚 秀 夫
 マ  ダ  ム ………近 松 麗 江
 そ  の  他


 1 都内の小公園(初夏の夕方)
   女の子が一人、ポツンと立って、雑誌に
   見入っている。
   恋人の若い男が走ってくる。
   勤め帰りに待ち合わせた山岡洋子(21)
   と細川邦夫(23)だ。
 邦夫「(息はずませて)待った?」
 洋子「ううん……」
   首をふり、スッと邦夫の前に見ていた雑
   誌を突き出すようにして見せる。
   夢のような豪華な住いを紹介したグラビ
   アのUP─
   見入った邦夫、洋子に目を移し、ニコッと
   する。
 洋子「いいでしょう」
 邦夫「いいね。俺たちもそれ式で行こうよ」
   洋子、ニコッとして、掌を上にむけて邦
   夫の鼻先に出す。
 邦夫「え? あ、そうか……」
   あまり有難くない様子で給料袋を出し、
   中から千円札を三枚ぬく。
 邦夫「今月は、背広の頭金さしひかれちゃっ
  て……」
   洋子、皆まで云わせぬ内につまみ取る。
 洋子「これで、あなたの分はサブロク一万
  八千円」
 邦夫「たまんないもんだな」
 洋子「ないよりマシよ」
 邦夫「当たり前さ」
 洋子「来年四月に結婚するとすれば、あと十
  三回」
 邦夫「三万九千円」
 洋子「合計五万七千円か」
   グラビアに目を落とし、フッと溜め息を
   つく。
 邦夫「君の貯金はだいぶたまったろ」
 洋子「まあね」
 邦夫「毎月五千円だし」
 洋子「いいわよ、気にしなくても……」
 邦夫「俺は入社して丸一年だけど、君は三年
  ……」
 洋子「(さらりとかわす)女は色々とかかるの」
 邦夫「あ、そう」
 洋子「(グラビアにまた目をやり)いいわねえ」
 邦夫「公団申し込もうか」
 洋子「当んないわよ、あれは……」
 邦夫「下手な鉄砲数うちゃ当るさ」
 洋子「うん……回数かせげば優先的に入れる
  らしいわね」
 邦夫「そうなんだよ。どうせ一年あるんだからさ」
 洋子「やろうか?」
 邦夫「二人の名前でな、婚約者として」
 洋子「婚約者?(キョトンとなる)」
 邦夫「そうじゃないか、結婚の約束したんだから」
 洋子「……指輪もらってないけどね?」
 邦夫「え?(笑ってごまかし)古くさいこというな
  よ。行こう」
 洋子「うん」
                     

 2 大東デパート・全景(昼)
   明るい陽射しを受けたビル──
                     

 3 同・ランジェリーコーナー
   客はチラホラ程度──
   ランジェリーやファンデーションの陳列
   の隙間から見えるレジ台脇の電話が鳴る。
   傍にいた女店員、西村恵美子がすぐとる。
 恵美子「もしもし、ランジェリーコーナーで
  ございます。(ニンマリ)はい、どちら様で
  いらっしゃいますか? (ちょっと意地悪く)
  ああ、店内の方ですか。はい少々お待ちく
  ださ いませ。(受話器を抑え男の声色を
  まねて)山 岡洋子さんをお願いします」
   背をみせて、陳列ケースに向っていた店員
   姿の洋子、ピクリと振り向く。
 洋子「(周囲に目をやり)意地悪! あなたの
  時仕返ししてやるから」
 恵美子「(受話器を渡さない)本命らしいわよ」
 洋子「何よ、本命って」
 恵美子「とぼけてもダメよ(またまねて)外
  商部の細川です……ホラホラこの時に限
  って変わっちゃうんだな、ヨコちゃんの顔色」
 洋子「(睨むように)エミちゃん、エミ!」
 恵美子「ね、本命でしょ、外商の彼。ほかの
 男性達が悲しむだろうな(思い浮かべるよ
  うに)あの人も……あの人も……」
                     

 4 外商部
   大量注文の品が山と積まれ、女店員たち
   が包装に大わらわだ。
   周囲に気兼ねしながら電話している細川邦
   夫、あまり待たされるので、
 邦夫「もしもし」
 洋子の声「バカ!」
 邦夫「!?」
                     

 5 ランジェリーコーナー
 洋子「(しとやかに)もしもしお待たせしました
  ……え? 聞こえちゃったの? あらいやだ
  ……え? 今夜? うんいいわよ……うん…
  …うん……」
   と甘い様子に肩をすくめる恵美子。
 洋子「え!? 当たった!?(目を輝かす)」
                     

 6 デパート・喫茶室
   卓上に、公団住宅当選の通知書──
   それを手にとる洋子の真剣な顔。
   休憩時間で、上衣をたたんで隅に置いて
   いる。
 洋子「まさか、当るなんて思わなかったわよ
  ね?」
 邦夫「(得意だ)一発だからね」
 洋子「公団住宅って、あんまり当たらないも
  のなのに……」
 邦夫「そうだよ。それが当ったんだから、つ
  いてるんだよ」
 洋子「…(考えるようにして頷く)」
 邦夫「どうしたんだよ」
 洋子「うん(通知書を見て)三ヶ月先には入
  居しなきゃいけない……か」
 邦夫「ああ、入らなかったら失格だよ。特別
  の事情がない限りね。だから、来年の春だ
  なんて呑気なこと云ってられなくなったんだよ」
 洋子「手続きは、×日迄……一週間しかな
  いわね」
 邦夫「何だよ。もっと、喜ぶだろうと思ったの
  に……」
 洋子「あなたと結婚するってこと家の者には
  まだ全然話してないのよ」
 邦夫「だから話せよ。この際、俺だって、そう
  なんだから」
 洋子「うん……でもこっそり公団住宅を申し込
  んで当っちゃったなんて云ったら、お父さんも
  お母さんも、ぶったまげてひっくり返っちゃうだ
  ろうな」
 邦夫「そんなこと……俺たちの夢が、実現したん
  だぜ。二度とないチャンスなんだぜ」
 洋子「わかってるわよ。だから何とか……」
 邦夫「親父や、おふくろがぶったまげて、ひっくり
  返るぐらいどうってことないよ」
 洋子「気やすく云わないでよ。人のことだと思って
  ……うちのお父さんは三十年も、お役所勤めして、
  コチンコチンの石頭なんだから」
 邦夫「関係ないよ、石だろうと、ハゲだろうと」
 洋子「ハゲてないわよ」
 邦夫「失礼。だけど……どうするんだよ」
 洋子「ちょうど、お姉さんが、アレだからな」
 邦夫「(いらいらする)姉さんなんか関係ないさ。俺たちは、俺たちじゃないか」
 洋子「……(頷く)そうね」


作品販売 < 若すぎる二人

ぶくろ塾 メニュー

塾長 コラム

お知らせ

著 書


マッカーサーへの復讐 著者:西条道彦
(小説) マッカーサーへの復讐
著者:西条道彦
テレビドラマ創作講座
著者:西条道彦
TVドラマはこう書く!
著者:西条道彦
*テキスト1 *テキスト2

*ぶくろ塾をお申込の入塾生は、上記テキスト1、テキスト2をテキスト本としてご購入頂いた上での学習となりますのでご了承願います。

お問合せ・質問

 お問合せ・質問は下記にて受け付けております。

お問い合わせ・質問はこちら